「君が代」と「ハティクバ」
グローバリズム、世界は一つ、
人類は皆兄弟という考え方があります。
みんな平等、国境もない世界を目指そうと。
なんとなく耳ざわりがよく、
正論のような気がします。
しかし、私は違うと思います。
それを教えてくれたのがユダヤの国家、イスラエルでした。
家族のない人がないように、国家のない人はありません。
人間は、ほかのどんな動物と間違って、歴史なしでは人間にならないからです。
人間は歴史の生き物であって、
人間から歴史を抜けば、もはや動物以下となります。
オオカミに育てられた少女は、オオカミでもなく、
人間でもありません。
「言葉する」ことも人間として生きる大切な要素です。
国などいらないという人は、家なき子です。
国があるから言えるのだと知って欲しいものです。
まさに、魚に水が見えないように、
日本人に日本が見えなくなってしまっています。
ネゲブ砂漠にあるベングリオンのお墓参りに行きました。
29歳の時から、15回目の訪問です。
エルサレムから車で3時間。
首都に住まず、最後まで荒野に挑み続けた偉大なパイオニアを糸川英夫先生は尊敬し、日本人に伝えました。
糸川英夫もベングリオンのように生きて、東京を離れ、信州の山に住みました。
糸川英夫の遺骨を抱いてイスラエルに来たのは、1999年5月、陶器の器に入れた遺骨をネゲブ砂漠に埋めました。
だから、ベングリオンのお墓参りは、私にとって糸川先生の墓参りでもあるのです。
糸川先生と6回、そのあと9度目のネゲブ砂漠。
ベングリオンのお墓の前では、必ず「君が代」とイスラエル国家「ハティクバ」を歌います。
今回は、ベングリオンと彼の妻ポーラ、そして糸川先生のための花束を持って行きました。
ユダヤ人は花を手向けません。
墓には石を乗せます、永遠に朽ちないから。
永遠に朽ちないように造られたソロモンの神殿は遺跡になり、朽ちてゆく木で造られた伊勢神宮は2000年続く宮となって、今も生き続けているのです。
これが、ヤマトの智慧です。
花束を捧げ、ハティクバを歌い、黙祷する日本人4名をユダヤの人びとが見つめ、ある人は撮影しています。
私も、勝仁さんも、小川さんも、バラさんも泣きました。
ハティクバを歌うと涙がでます。
国連加盟国193カ国の国歌のなかで、たった二つマイナー『短調)の曲。哀愁を帯びたメロディが魂を震わせます。
若いユダヤのカップルが、私のところに駆け寄って来て
「感動した」と涙ぐんでいます。
「お前はクリスチャンだからイスラエルに来たのか?」と聞くので「いや、違う。私はベングリオンを尊敬しているからここにくるのだ」と言うと、「お前はシントーなんだね」と言い、握手を求めて来たのでした。
国を大切に思う心は、人として当たり前のこと。
家族を大切に思う心と同じです。
戦争を反対するのも当たり前です。
でも、家に強盗が押し入ったら、家族を守るのも当たり前ですよね。
強盗を仲間だから、家族の一人だなんていう家は滅びます。
短い滞在でしたが、たくさんの気づきや学びがありました。
私は、イスラエルにヤマト人を導く使命があるのだと、改めて知らされました。
バラさんがイスラエルで頑張っておられる限り、
私もイスラエルツアーをやります。
5月の旅の前に、こうして心新たにさせられたことも大きな導きと思えます。
5月のツアーも30人を超える参加をいただいています。
深い魂の旅となることでしょう。
それにしてもオトコ三人、不思議な旅です。
今日テルアビブを発ち、イスタンブール経由して帰ります。