すべての生物は、逆境のときだけ成長する
2016.12.13
「すべての生物は、逆境のときだけ成長する」
我が師、糸川英夫博士が私に書いてくださった色紙の言葉です。
鍵山さんの新刊から引用させていただきます。
「便利になるのはよいことです。
では、不便はすべて悪いかというと、そうとは言えません。
不便への対応は、人によって4つに分かれます。
一つ目は、不便は不便のまま、工夫も何もせずに放っておく人。
二つ目は、不便に対する愚痴を言うだけの人。
言えば誰かが何とかしてくれるのではないか、という期待もあっての愚痴です。 このように、目の前の不便に何の努力もしようとしない人にとって、不便は「不満」の種です。
三つ目は、家族や部下、社員など、人に命じて不便を改善しようとする人。
自分は何もせず、人にやってもらおうという考えの人です。
そして四つ目が、自分自身で不便をどう克服できるかを考え、工夫、改善していく人です。
不便を不便のままにせず、自分でどうにかよくしようとする人にとって、不便は成長の種です。
そういう意味で、不便は一概に悪いとは言えないと私は思っています。
・・・私が不満や憤りをマイナスの力にせず、成長の糧とできたのは、
下村湖人先生のこの言葉と出会ったからです。
『私は不満のない人生を送りたいとは思わない。
私ののぞむ人生は、不満が平和をみだす原因とならず、
創造への動機となるような人生である』
人を憎み、恨んだところで、結局、損をするのは自分です。
「過去と他人は変えられない」と言われますが、
自分の生き方次第で過去さえも変えることはできます。
起きた事実は不変でも、自分の受け止め方を変えることで、その過去がもつ意味は変わるのです。
私は今、過去のすべての災難や苦労を笑って話すことができます。
とても幸せなことだと思います。
不便や逆境を嘆き、その過去にいつまでもとらわれているようでは、人間的成長はできません。
イギリスの政治家、ベンジャミン・ディズレーリが
「いかなる教育も逆境から学んだものには敵わない」
と言っています。 逆境に勝る教育はないのです」(引用ここまで)
味のある人間となって、良き仲間とこの世の旅路を歩み、
笑ってあの世に旅立つことができますように。