定年退職
いつの間にか還暦を迎えることになっています。
来月27日の誕生日で、60歳ということですね。
歳男も5回目、
思えば長いこと、この世の旅路を歩いているわけです。
今年の年賀状、
同級生からのものに
「定年退職」という言葉がたくさんありました。
一部上場企業の支店長になって、
すごいなぁと思っていた友も、
会社を辞めなければならないのです。
まだまだ元気なのに、
定年という決まり事で、
退職してゆきます。
人生100年時代と言われます。
60で退職しても、
まだ40年時間があるのです。
どうします?
ずっと長い間、
「いい学校出て、
いい会社に入ったら幸せになれる」
という信仰が世の中を覆っていました。
我が家もそうでしたから、
いい学校に進学することだけが大事でした。
何のために大学に行くのか、
そんなこと考えることもありませんでした。
いい会社に入ることで、
何が出来るのか、
考えたのは会社に入ってからでした。
いまはすべての出来ごとに感謝しています。
どれ一つ欠けても、
今の私になっていないからです。
還暦を自分が迎えるという実感はありませんが、
目も老眼になり、
補聴器なしでは日常生活もできず、
歯もがたがたして、
あれもこれも弱ってゆくのは実感しています。
そして、
それは、
もっともっと衰えてゆくのです。
髪の毛も薄く、白髪のお爺さんが写真に写る時、
これは誰かと思ってしまいます。
でも、
この姿は
ここからの人生で一番若い私の姿です。
アンチエイジングという言葉があります。
私は、その言葉に抵抗感をずっと持っています。
私は、
エイジングしたいと思います。
歳をとること、
衰えてゆくこと、
失われてゆくもの、
一切を受け入れて、
残るものを輝かせる生き方が出来たら幸せです。
還暦からいよいよ始まる新しい旅、
その船出にちょっとときめきます。
だから、私には定年退職というものはありません。
生涯現役で、話したり、書いたりして人と関わって生きていきます。
百歳まで見苦しく生きてみたいと思います。
そんなこと考えていた昨日、
15歳年上なのに、
15歳年下に思えるほど若い、
大尊敬する
熊本は阿蘇、
風の丘美術館の大野勝彦先生が、
講演会のため三重県にやって来られました。
久しぶりの二人だけのデート。
ロマンチックな、なばなの里。
二人合わせて135歳のカップルは、
もはや無敵であります。
定年退職のカケラもありません。
生きて生きて生きて
まわりの人を喜ばせて、
笑って死ねる人生を送ります。