赤塚高仁ブログ

祈りは遺伝子を「活性化」する

2018.01.14

 1月11日の産経新聞「正論」は、村上和雄先生でした。
何度かご一緒させていただきましたが、ユーモアあふれる素敵なお人柄に魅せられています。

ふーちゃんの映画「1/4の奇跡」のクライマックスで村上先生が語る場面、
ぐっと胸に迫りますね。

新聞記事から・・・
「 ヨガ瞑想やマインドフルネス瞑想が、ストレスによる免疫機能低下の改善を促したり、
抑鬱からの回復効果をもたらしたりすることを実証している。

 私はこれまでダライラマ14世と『仏教と科学の対話』というテーマで、何度も話し合う機会があった。
法王は拙著『生命の暗号』に次のような推薦文を書いてくれた。

『21世紀の人類が直面する課題は、科学だけでも宗教だけでも解決しない。
宗教がもたらす人間性の深い理解と、現代科学の知見を融合して苦難を克服しなければならない。
村上和雄博士の重要な研究が、私たちの目標に近づけてくれる』

 「祈りや瞑想」は単なるリラクゼーションや集中力アップの手段ではなく、
大自然と調和した一体感や神仏との合一体験などの意識状態の変容を伴うものであるというのが本質であると考える。

今回、祈りや瞑想が心身にどのような影響を及ぼしているかを調べるため、
高野山真言宗僧侶における遺伝子発現(オン・オフ)の検討を行った。
「僧侶型オン遺伝子」として見出された遺伝子はいずれもI型インターフェロン関連遺伝子であった。
これはウイルスの増殖を抑えたり感染した細胞を除去したりすることによって、
ウイルスから身体を守っているタンパク質である。
僧侶群におけるこの特徴は、僧侶になるための修行か、あるいは日常の行において獲得・維持された資質であると考えられる。
すなわち、僧侶では自然免疫系が全体に活性化していると考えられる。

 また、僧侶における自然免疫系の活性化は、僧侶の身体的な感受性の強さの表れの一つとして捉えることもできる。

ここから、共感という心理的な感受性と、自然免疫機能という身体的な感受性に共通の基盤があることが推測される。
これは、心身の関連を考える上で大変興味深い結果であり、宗教性や祈りがそのような心身基盤の成立にかかわっていることが推察されるのである。

 空海の言葉に、
「菩薩の用心は、みな慈悲をもってもといとし
 利他をもって先とす」
とある。
これは、人の悲しみや喜びをわがことのように感じ、
利他の心をもつという高い共感性に通ずる。

 空海の言葉を日々胸に刻む僧侶たちが行(瞑想や祈り)によって共感性や慈悲の心を育むことで、
免疫機能の強化につながったのではないかと考えている。
日々の生活の中で行司じられた祈りや瞑想が、ある心理状態を作り、その状態が積み重なることで、
遺伝子を介して体に影響を及ぼしたのではないかと推察される。

 ここでは喜怒哀楽の「心」よりも深い「魂」と呼ばれるものがこのメカニズムに関わっているのかも知れない。
河合隼雄さんが、
「心と遺伝子の研究も面白いがもっと面白いものがある。
 それは魂と遺伝子の研究や」と言ってくれた言葉を改めて思い出している」(引用ここまで)

いま、イエスキリストが生きていたら、聖書よりもわかりやすく命を説くでしょう。
科学がこれほどまでに魂に迫っているのですから。

 私たちは、すごい時代に生まれてきました。
地球が回っていると言っただけで、キリスト教に殺された時代が少し前にあったのです。
自我の苦しみから解放されるのも、もうすぐかも知れません。

遺伝子情報のスイッチオンにして、
本来私たちがもっている力を蘇らせましょう。
なりたくない自分になるのは、自分に対する最大の侮辱ですから。

「笑うこと」「祈ること」これらが遺伝子スイッチオンにするのだと、村上先生が発見してくださったのです。
聖書でパウロが言っています、

「いつも喜んでいなさい。
絶えず祈っていなさい」

本当のことは、いつも美しい。

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