阿蘇風の丘大野勝彦美術館
出会って27年、
会えば会うほど好きになる、
私のあこがれの男
大野勝彦先生
大事な仲間を紹介したくて、阿蘇を訪ねました。
45歳まで、熊本でバリバリやり手農家だった大野先生。
地域一番のハウス農業をしてました。
もちろん五体満足、
丈夫すぎる力を誇り、鉄人28号と呼ばれていたくらい怖いものなしの日々でした。
自分は、何でもできる、強いことは良いこと、大きいことは良いこと。
弱い奴は、ダメなやつ。
だれの助けもかりるものか、自分は何でもできる。
でも、そんな45歳の暑い夏の午後、農作業中の機械に腕をはさまれて、両腕肘から先切断。
突然両手が、なくなってしまいました。
いままで当たり前だったことが、当たり前でなくなってしまいました。
トイレに行くにも、誰かの助けがいるようになってしまいました。
何もできなくなってしまいました。
そのとき
奥さんがメモに書いたひとこと
「これから私があなたの手になります」
そして
子供たちの命がけの笑顔に救われます。
やさしさに包まれて、大野勝彦変容します。
自分のために生きるのはやめて、
目の前の人の笑顔のために命を使うと決め、
頼まれごとはすべてハイ!と喜んで受ける。
絵も字も書いたことのないお百姓が、義手に筆を持って描き始めた絵とことば。
命の深いところから溢れてくるのは、
愛そのもの。
それから、15年後、大野先生は、阿蘇の国立公園の中に数万坪の美術館をオープンさせることになるのです。
生涯絵を描き続けても、美術館を持てる画伯なんてそうざらにいるものじゃありません。
ましてや、45歳から絵を描き始めた両手のない画家。
奇跡の美術館が、熊本 阿蘇にあります。
熊本地震で美術館も壊滅的な被害を受け、
再建は不可能と誰もが思いました。
しかし、
大野先生だけは、希望の光しか見ていませんでした。
復活した風の丘大野勝彦美術館は、以前にも増して
愛と
希望と
勇気の時空となっています。
訪ねてください。
深いところからこみあげてくる涙は、
きっと生きることの懐かしさを思い出させてくれることでしょう。
私は、大野勝彦先生が大好きです。