袖触れ合うも他生の縁
2015.10.10
飛行機が出発1時間半遅れたのは初めてでした。
新しい飛行機を用意してもらい、飛んだのでした。
お食事券まで出してもらって、申し訳なかったですね。
遅れてるからと、窓口に詰め寄る人もありましたが、
搭乗口のお姉さんにはどうしようもないことで、可哀想に思います。
機内のスチュワーデス・・・近頃はキャビンアテンダントというのか・・・
客室乗務員のお姉さんも実にすまなさそうにしておられるのですが、
人間の表情は、心が現れるから、
なんとなく伝わってくるのですね、本気でそう思っているのか、
私も犠牲者なのよと思っているのか、やっぱり心ですね。
私も、いざとなると、自分は悪くない、〜のせいで、と瞬時に言い訳してしまいます。
自分さておき、相手のこと本気で思うこと、改めて考えさせられましたね。
どんな状況であっても、本気で相手のことを思うとき、
不思議と状況は好転してゆくように思えます。
降りる際に「申し訳ありません」
と言われる乗務員のお姉さんに
「ありがとうございます、あなたも大変でしたね」
と声をかけたら、びっくりしたような顔をされましたが、すぐ素敵な笑顔を返してくれました。
ほんの小さな一言で、豊かな気持ちになれます。
予約を入れていた千歳のお寿司屋さんは、伊勢の修養団の研修で知り合いました。
すっかり遅れて到着しましたが、素敵な笑顔で迎えてくださいました。
何年か前に、お店のスタッフに講演させていただいたのも懐かしい思い出です。
とにかく大将の仕事っぷりが格好良くて、女将が選ぶ北海道のお酒も最高なのです。
もちろんネタはハンパな旨さじゃありません。
なんせ、活きてるボタン海老なんてまずあり得ませんから。
あ、グルメの話ではないんです。
このお店でも、人に対する本気の真心というものを学ばせていただいたのです。
時間を忘れて話し込み、お酒もすすんでいたのですが、
女将が申し訳なさそうに
「赤塚さん、よかったら店の子にサインしてやってもらえませんか」
もちろん、喜んで!
スタッフの皆さん飛び出してこられ、懐かしい面々が並んでくださいました。
手には「聖なる約束」「ヤマト人への手紙」
店長の中山さん「もう、何度も読みました」
一人ひとり感想を語ってくれます、本当に嬉しいことです。
一通りサインをさせていただくと、大将がお寿司で作った素敵なケーキに
「祝 ヤマト」とお刺身で書いてくださり、ロウソクに火をつけて持ってきてくれたのには大感激でした。
お一人、常連さんらしいお客様がカウンターに座っておられました。
大将は、その方にも本をプレゼントしてサインをさせていただいたのです。
もちろん、初めて出会わせていただいたSさんです。
さて、千歳の市内には全く宿が取れませんでしたので、隣町の苫小牧駅前にビジネスホテルを予約してありました。
そろそろ帰る、ってことになったら、電車が終わっていることに気がつきました。
飛行機が遅れましたからね、ちょっと始まりが遅くなったのは仕方ないです。
でも、北海道で、隣町というと私の感覚を超えていることを知りました。
タクシーで一万円くらいかかる・・・
すると、Sさん、ポケットからタクシーチケット出して
「何かのご縁ですから、これで乗って行ってください」
生きているということは、誰かのお世話になること。
生きてゆくということは、誰かにお返ししてゆくこと。
苫小牧の駅前のビジネスホテルの朝。
お土産にいただいたお寿司で出来たケーキ、ちょっと嬉しい涙の味がします。
そんな気持ちを胸に、これから札幌に向かいます。
講演会もきっとエネルギー立ち上がる磁場となるでしょう。