天皇陛下の御製
年頭に天皇陛下がお詠みになった御製です。
この短い言の葉のなかに、大きな天からのメッセージが込められていることが、
ようやくこの歳になってわかるようになって参りました。
《神宮参拝》
あまたなる人らの支へ思ひつつ
白木の冴ゆる新宮(にひみや)に詣づ
式年遷宮を終えた伊勢神宮に、天皇皇后両陛下がお越しになりました。
近鉄の沿線で、陛下がお乗りになっている「しまかぜ」に敬礼しました。
三種の神器が伊勢にやってきました。
神話がいまも生きて続いている神の国、日本。
陛下は、「あまたなる人らの支え思ひつつ」といわれます。
国民の力でなされた遷宮ですから、それは素晴らしいことです。
しかし、国が中心となって遷宮をしなかったのは過去の歴史の中で混乱を極めたあの戦国時代だけだったのです。
戦後70年、この時代は後の歴史教科書にこう書かれることでしょう。
「戦国時代、応仁の乱100年の間、国は乱れひどいありさまでしたが、
大東亜の戦争に敗れた後、再び我が国は乱れ、伊勢神宮の遷宮を国ができませんでした。
しかし、天皇の祈りと心ある国民の力を合わせ、日本は守られたのです」と。
陛下のこの御製に込められた危機感を汲み取ることができなければ、
ヤマト人といえないでしょう。
《来たる年が原子爆弾による被災より七十年経つを思ひて》
爆心地の碑に白菊を供へたり
忘れざらめや往(い)にし彼(か)の日を
長崎です。そして、広島です。
原爆はもう二度と地上でつかってはなりません。
自分を愛するように隣人を愛する。
その心を、ヤマト人が示して参りましょう。
《広島市の被災地を訪れて》
いかばかり水流は強くありしならむ
木々なぎ倒されし一すぢの道
一筋の道に流れた水。
陛下は、土砂とは言われません。
水の国日本
恵みは、ときとして災害となる。
そんな国が日本です。
天の恵みによって生かされているけれども、
それは、一つ間違えれば天災となる。
それが自然というものですから、その国に生まれたことを感謝し、
受けとめ、受け入れ、そしてもう一度歩き始めること。
常に、国民一人ひとりに寄り添い
ただ、無条件に愛を注いで下さる陛下に感謝しかありません。
日本よ永遠なれ!
今世、日本に生まれることができて、幸せです。