聖書に学ぶリーダーの退き際
2015.03.30
旧約聖書の中で、230ページにもわたって登場する偉大なリーダー。
その人の名は 「モーセ」
エジプトで奴隷となっていたユダヤの民を導いて、約束の地へと40年に及ぶ旅をします。
自分で歩ける男の数だけで60万人とありますから、
女性や子供たちを含めると膨大な数の人々を率いて荒野を旅するのです。
エクソダス、出エジプトをして約束の地への物語は、旧約聖書の中でも重要な物語と言えましょう。
今週末の「聖書に学ぶやまとこころのセミナー」第3回目は、このモーセを説きます。
改めて、出エジプト記、レビ記、民数記、申命記を読んでみると、
これまで気づけなかったたくさんの発見がありました。
27年前、糸川英夫博士のお宅での勉強会で初めて触れた旧約聖書。
モーセこそ人類史最大のリーダーだと糸川博士は言いました。
聖書は、人類の智慧の書であり、宗教の経典にしておいては勿体無いと博士は私に教えてくださいました。
モーセに学ぶリーダーシップ。
糸川英夫の教えです。
「リーダーの最大の使命は、リーダーのイスに座った時から、
誰を次のリーダーのイスに座らせるかを考えること。
リーダーは、すべての理想を完成することはできない。
志半ばで次に渡す宿命を生きるのです。
後継者選びと、美しい退き際。
この二つが、リーダーの仕事なのです」
4000年前の旧約聖書を今に読み解く。
私が、糸川英夫の弟子になりたいと思い、飛び込んだのはそのときの感動があまりに大きかったからです。
聖書の時代も今も、人は少しも変わらない。
神がモーセに授けた十戒は、時代を超えた真理であり、すべての人類に通じる本当のことです。
赤塚と似た名前の家具屋さんが、先週一週間で9時間近くテレビを賑わせていましたね。
会長である父と、社長である娘の対立。
1700人の社員さんも、周囲の人もどう感じたでしょう。
聖書からみれば実に単純なこと。
会長は、後継者選びと退き際においてリーダーとして失格であり、
社長は、モーセの十戒のなかでも非常に重要な「あなたの父母を敬え」という律法違反。
神に逆らってはなりません。
お天道様はみています。
キリストの神様があったり、神道の神様があったり、イスラムの神様があったりするわけではなく、
すべてを生み出した大いなる意志に人が名前を付けて作ったのが神様。
私たちが「創られた」存在であることを思い出して、生かされていることのなつかしさとありがたさに手を合わせるとき、
すべてを生み出した意志とつながることでしょう。
その道しるべとしての聖書は、本当に大切な書だと思えます。