パラオ
20年来の友人で、声優の小山茉美さんから連絡があり、報道特集でパラオのことをナレーションすることになったからと。
見せてもらったが、とにかく酷い番組でした。
「パラオの海で異変が起きている。
それは、パラオの海に沈んでいる日本の軍艦から漏れている油が今も、美しい海を汚染し続けている・・・」という、
ネガティブキャンペーンです。
わざわざ海に潜って油まで撮影していました。
天皇陛下が、慰霊に行かれる直前にこのような放送をして、日本が悪いことをしたと強調したい連中たちは、
どこまでも愚かで情けないですね。
5年前に新聞に書いた、エッセイです。
「沈黙の声・ペリリュー島にて
白地に赤く日の丸染めて・・・日本の国旗の歌であるが、青地に黄色い月の丸をデザインした旗をご存知であろうか。
それは、西太平洋に浮かぶパラオ共和国の国旗なのだ。
パラオが独立する際に、太陽に照らされ輝く満月のような国となろうという願いを込めて生まれた国旗だと現地の人から聞かされた。
彼らにとって、太陽とは日本のことだと。
日本は31年間のパラオ統治時代、電燈を灯し、道路を敷き、病院や学校を作った。
島の人々は、日本を愛し、今も多くの人が日本語を話す。
我が国の代表は、日本が悪いことをしたと自虐的な懺悔ばかり繰り返し、マスコミも祖国を愛することは罪だとばかりに、ネガティブなキャンペーンを続けている。
そんな自虐史観の中で、パラオのことが知らされることはほとんどなかった。
松阪市飯高に水屋神社という樹齢千二百年の楠を御神木に抱く聖なる宮が在る。
宮司の久保憲一氏はパラオと親交深く、諸島の一つペリリュー島にある神社にさざれ石を寄贈したことでも知られている。
16回目の独立記念日に合わせ久保宮司を団長に、縁ある仲間数名でパラオ共和国を訪ねた。
まずパラオ本島からモーターボートで一時間半弱、幅3キロ、長さ9キロのペリリュー島に向かった。着くとすぐ塹壕に案内された。
500箇所ほどある洞穴の中でも一番大きなもので、石灰岩をくりぬいた延長は90メートルもあった。
真っ暗闇の中、懐中電灯の灯りに照らされた先には、ついいましがたまで日本の兵士たちが居たかのように食器や空缶が転がっていた。
大東亜戦争末期、昭和19年9月15日、4年がかりでペリリュー島に日本軍が作った東洋一と言われていた飛行場を奪うために、米軍は島を取り囲んだ。
兵力はおよそ四万二千。そして、上陸に先立ち米軍が打ち込んだ爆弾は17万発、日本軍の艦隊も航空機も壊滅状態となった。
軍艦、輸送船約50隻が珊瑚の海に沈んでいった。
しかし、一万二千の日本の守備隊は塹壕に潜み、米軍上陸に備えたのだった。
三日で攻略すると豪語して上陸してきた米兵を狙い撃ち、刀で斬りかかり、十メートルの距離での白兵戦、両軍の兵士の血で真っ赤に染まった浜辺はオレンジビーチと呼ばれるようになった。
三ヵ月近くも持ちこたえたが完全に補給も途絶え、弾も尽き果てた日本軍は最後に「サクラ サクラ」と打電し玉砕、司令官中川大尉は11月24日自決、戦いは幕を下ろした。
米軍も1万以上のもの死傷者を出した大東亜戦争で最も烈しい戦場の一つが、このペリリュー島だったのだ。
ペリリュー神社の石碑にこう刻まれていた。
「諸国から訪れる旅人たちよ、この島を守るために日本軍人がいかに勇敢な愛国心をもって戦い、そして玉砕したかを伝えられよ・米太平洋艦隊司令長官 CWニミッツ」と
戦いの前に中川大尉は、日本の為に戦うという島民たちを説き伏せ、彼らを守るため安全な本島に軍艦で避難させた。
戦い済んで島民たちがペリリュー島に戻ってみると、そこには海に水漬き、山に草生した一万以上の日本兵の屍があった。
米国は米兵の遺体を収容した。しかし、我が国は英霊たちの遺骨を顧みることはなかった。
ペリリューの島の人たちが、日本兵の遺骨を拾い集め、墓を作り葬ってくれた。
中川大尉が自決した洞窟には、今も花が絶えることがない。
英霊たちは、観光団ではない。
祖国日本のために戦い、大切な人、大事なことを守るため日本から遥か3000キロも離れた南の島で死んでいったのだ。
どんなにか帰りたかっただろう、ふるさと日本に。
英霊たちの願いは、今日本の人々に届いているだろうか。
ジャングルを歩くと、朽ち果てた零戦があった。
主翼にうっすら日の丸が見える。主脚の錆を落とすと銀色に輝くジュラルミンが出てきた。
みんなでふるさとを歌った。
「志を果たして、いつの日にか帰らん」未だ帰れぬ数千の英霊たちの念いが一気に胸に飛び込んできてみんな泣いた。」
パラオのことを、ペリリュー島のことをずっと伝えてきました。
きっとこれからも伝えてゆくでしょう。
戦争が終わった後、パラオは米国の統治下になり、米国は日本は悪いことをしたダメな国だと教科書に書き、
学校で教え始めます。
ところが、パラオの人たちは、島を守ってくださった神様のような人たちのことをバカにするな!と教科書を焼き捨てます。
今もなお日本を愛してくださっているパラオの人たちに私たちは胸を張って、日本人であることを誇りたいものです。
天皇陛下が訪問されます。
明日の朝、私も飛び、空港で天皇をお迎えします。
陛下が島におられる間、祈ります。
どうか、心寄せて、世界に平和の風が吹きますようにと、祈って参りましょう。