一度羽織ってみる
洋服を試着するとき、似合うか似合わないかおいておいて、とりあえずふわっと羽織ってみます。
見た目ではちょっと違和感があっても、着てみると意外にイケてるって感じありますよね。
この感覚、羽織ってみないとわかるものではありません。
人との対話の中で、「そうじゃない!」とか「それは違う!」と叫び、自分の意見を押し付けてゆく人があります。
相手をやりこめて自慢げにしている姿は、決して美しいものではありません。
それは、結局対話ではないからです。
対話は価値観の違うもの同士が、少しでもお互いの距離を縮めようと謙虚に歩み寄る美しい儀式です。
人間にしかできない素晴らしい芸術といえましょうか。
ヤマトでは、私たちの魂は神様の分け御霊といって、大元の霊から分けられたものだと伝えられています。
だから、本当は相手も自分なのです。
でも、なかなかそうは思えない相手も多いのが現実世界ではないでしょうか。
魂の傾向性、癖があるので容易に認められないことがあります。
そんなときに「なるほどそういう考え方があるのか」と受ける感覚が、
洋服を試着するように、ふっと羽織ってみるという感じなのです。
そのときには、受け入れるとか、嫌うとか、反発するとか、思考を入れずに、ふわっと羽織ってみるのです。
いつも同じ服ばかり着ていると、個性も固定されて新しい発見や発想が生まれにくくなってしまうようです。
自分と同じ意見の仲間とばかりつきあっていると、衝突もしないので楽なのかもしれませんが成長も止まります。
新しい洋服を着て街に出ると、心も軽やかに、同じ風景も違って見えることもあるでしょう。
異質な思考の持ち主と付き合うと、潜在意識が刺激され、新しいスイッチがONになり、新しい発想が生まれます。
新しい扉が開きます。
思考が柔軟になります。
異質な組み合わせ、それこそ新しい自分に出会う旅の始まりだと思えます。
一度羽織ってみる。
この感覚忘れずにいたいものです。
さあ、今日は広島。
新しい出会いが待っていてくれることでしょう。