赤塚高仁ブログ

横綱と猫だまし

2015.11.19

 ずっと昔に三重ノ海が猫だましをしたのを覚えています。

三重ノ海は、当時大関だったでしょうか、横綱だったでしょうか、定かではありませんが、
私は中学生で、本場所が始まると急いで家にかえりTVの前で相撲にかじりついていました。
大錦という力士が好きでしたが、あまり出世せずに引退しましたね。
 さて、横綱が猫だましをするなんて!と相撲協会理事長の北の湖親方はカンカンです。
横綱たるもの、目先の勝負にとらわれず、大きな気持ちで相手を受けてゆかなければならない。
確かに、おっしゃるとおりでしょう。
単なるスポーツではなく、ましてや格闘技でもなく、
まさに神道のご神事でもある大切な国技ですから、相撲は。
 でも、よく見てみましょうか。
白鵬の相撲から伝わってくるものを。
 しっかり感じてみませんか。
白鵬の存在が語っていることを。
 私には、白鵬が喜んでいるのが伝わってきます。
相撲が取れて嬉しい、相撲が大好き。
いろんな技を試してみたい。
やがて土俵に上がることができなくなる日が来るのだから。
強ければいい、勝てばいいと白鵬が思っている横綱なら、相撲の神様は白鵬をこれほどまでに応援することはないでしょう。
悲愴な雰囲気で土俵に上がる日本人力士、喜びがありません。
北の湖親方が現役時代と、宇宙は変わりました。
「喜んでいなければ、何にもならない」のです。
少し前まで、尊王攘夷だった私は、外国人横綱に偏見をもっておりました。
突如、白鵬のすごさに目覚めました。
 ユダヤ人を見限って、異邦人に伝道を始めたパウロの気持ちもわかる。
岩戸開きで、アメノウズメが踊り、周りの神々が大喜びしていたときにアマテラスの心が動いた。
喜んでいるとき、神はきてくれます。
「病気が治りたい」
「成功したい」
「幸せになりたい」・・・これらの祈りがどれほど神を悲しませる否定の念なのかを、改めて思わされます。
相撲の神様が味方する横綱・白鵬に伍することができるのは、山元加津子か入江ふみこくらいですな。
 
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