八町ヨベルタウン
姿を現したヨベルタウンの前にたたずむと、
「ありがたいなぁ」
「おかげさまだなぁ」という気が湧きあがってきます。
素直になっているからなのかなぁとも考えるのだけれど、
どうも、そういうものでもないようです。
「じぶんひとりの無力感」を知るからかも知れません。
街を造る、家を建てる、なんて偉そうに言っていますが、ひとりでやっているようで、
まったくひとりの仕事じゃないわけで・・・
ずっと信じて待って下さっている地主さま、
床板一枚一枚丁寧に貼ってくれた大工さん、
壁を塗り上げてくれた左官屋の親子、
サッシのほこりまで拭いてくれた掃除屋さん・・・
そして、土日に駐在して、来場のお客様を案内してくれるわが社のスタッフ・・・
「美しい街を創りたい」
30代の初め、米国シアトルのベルビューを歩いた時、衝動的に思わされました。
どんなに郊外の安い土地を仕入れたとしても、
土地を取得するためのコストが建築費を圧迫します。
最後の仕上げにかける少しの違いが、大きな差となっていつまでも悔いを残します。
その解消のためには、土地を買わずに家を建てる、
「所有」から「使用」へ
新しく生まれた定期借地権という法律による、夢の創造以外ない!
土地を残すために活用したい地主さまと、豊かな人生を送るための住環境を手に入れたいユーザー様のマッチング。
前例のない仕事に取り組んで、やがて20年になろうとしています。
津の街に多くの定借の家を作って参りました。
一軒でもまちづくりだと思っています。
でも、2棟からはコミニュティが生まれます。
同じ価値観の隣人と暮らすことは、目に見えない財産だと私は考えます。
「豊かな時間を手に入れる」という価値観を共有できる隣人と暮らす町。
これがどれほどの値打ちだろうかと私は思うのです。
目には見えないけれど、そんな祈りを込めて生まれたヨベルタウンの前に立つと、
ぐっとくるのです。
年をとるほどに、自分の無力を感じる機会が、どんどん増えて重なっていく気がします。
もちろん、なにもしなければ、無力感はないでしょう。
でも、言うだけ考えるだけじゃなく、なにかするから、なにかしら背負うからこそ、
「うわぁ、なんて無力なんだ」と知ることになるのだと思えます。
そうすると、いろんな人の、それなりの助けに、
いちいち「ありがとう」と思うようになるのかも知れません。
そして、 孤独感とか、無力感とか、ちゃんと出合えるのは、
とてもいい人生なのかもしれないと、思う日曜の朝なのです。
今日もオープンしていますから見学に来てください。
赤塚建設創業以来57年の集大成です。