捨てる勇気
糸川英夫博士の話しです。
博士の家で食事をいただいていたところ、博士がポツリと言いました。
「赤塚さん、80年生きてきてね、あなたよりはちょっと余計に勉強したと思うけど、知れば知るほど自分が本当は何にもわかっていないってことがわかりましたよ。」
前例がないからやってみよう。
それが、糸川英夫博士の人生のテーマだったようです。
55歳で東京大学の教授職を捨てたのも、定年になって恩給がつくようになれば、独創力が失われてしまうからだと教えてくださいました。
すべての生物は、逆境のときだけ成長する。
それが、博士の口ぐせでした。
「あのね、赤塚さん。人はね、何かを手に入れることよりも、一度手に入れたものを捨てる方が、はるかにむつかしいのよ。 いずれ、全てを捨ててこの世を去らなければならないのだから、その訓練だと思えばいいですよ。」
戦闘機はやぶさの設計、ペンシルロケットの開発によるロケット博士の名声、東大名誉教授、一切を捨てて、常に新しい道を歩いた博士は、55歳から本を書かれ超ベストセラー「逆転の発想」を始め、亡くなる86歳までに70冊を超える著書を残されました。
10年ごとに一切を捨てて、常に新しいことに挑戦し続ける人生を貫かれました。
そして時は今、 全ては考え方だよ、と言われる澤田リーダー。
知れば知るほど、リーダーの中のリーダーだと思わされます。
一見強気で、人の話しなど聞かないワンマンに見えます。
けれど、一旦相手を認めれば、自分の考えを全て捨てて受け入れる素直な行動は見事としか言いようがありません。
勇気、すごいです。
本当の強さです。
自説を絶対押し通そうとする頑固さと真逆のしなやかさです。
53歳になって、怒られるの恐いです。
何故なら、澤田さんは、言動に矛盾のない稀有な人だから。
人生は今日が始まり。
誰にも負けない力、授かってこの世に送り出されたことを思い出します。
そして、手のひらをもらうためでなく、あげるために使いたいと願うのであります。
出逢いって、ホンマに人生の宝ですよね。