我が愛と青春のたけし軍団
ビートたけし「非」推薦の一冊の本を見つけて、思わず買ってしまいました。
たけし軍団編、ガダルカナル・タカ監修「我が愛と青春のたけし軍団」
ちょっと読んでみましょうか。
「師匠たけしの説教
たけしさんは仕事に対しては本当に厳しかった。番組で俺らの出来が悪かったときには必ず怒られる。
「テメーら、ふざけんじゃねーぞ!」
静かに怒ることもあれば、怒鳴ることもあるし、優しく言い聞かせてくれることもあるし。東みたいに酔っ払ってからんでボコボコに殴られることもあるし。
ラッシャーみたいに車の後部座席から頭蹴られることもあるし。
番組の収録が終わったあと、自分の中では精一杯やったことはやった。でも、今日はもうひとつだったなぁ~って感じてると、
「お前ら、なんだあれ?」
たけしさんはそれを完全に見抜いてる。
「あんなくだらねーことやってて、軍団としてやっていけんのか!」
たけしさんの目はごまかせない。確かにたけしさんの言うとおりだから何も言えない。
「お前ら、いまここでやんなかったら、いまここで頑張れなかったら、このあと何年もメシ喰っていけないぞ!」
たけしさんにそう言われたら必死にがんばるしかない。といってもネタを考えてるばっかりじゃなくて、仕事して飲んで遊んで野球しておネエちゃんも行って、それとは別にコンサートのネタも作り、タップの練習もして、踊りの練習もしなきゃいけない、歌の練習もしなきゃいけない、ロケのネタも考えるし、スペシャルもやる・・・・
本当に時間がなかった。
でも、時間がないなんていうのは理由にならない。たけしさん自身、俺らと遊んだ後に本読んだりビデオ見たりして、それでいてレギュラー番組のネタもスペシャル番組のネタも全部自分で考えて作ってるんだから。
そこで、俺らが任されたコーナーのネタですら作れないようじゃ話にならない。
・・・・・・・・・・・・・「今日の仕事が明日につながるってことがわかってないヤツは、芸人としてまったく話しにならない!そんなヤツはダメだ!」
たけしさんは軍団全員に向かって叱りつけるようにビシッと、そう言った。
「自分自身に 精一杯さいごまでやった!っていう ウソをつかない気持ちで、いけるとこまで頑張んなきゃダメだな」 そのとき、たけしさんに怒られながらそう思った。
逆に、たけしさんは褒めてくれることもある。
たけしさんは、ちゃんと俺らが頑張ってるところもリサーチして、軍団の連中がみんな何をしているのかっていうのを常に気に留めていてくれた。
それで、頑張ってるヤツにはちゃんと声をかけてくれた。
「一生懸命やるってことは努力しなきゃいけないってことなんだよ」
たけしさんはそれを言葉でも教えてくれたし、自分の生き様を通しても俺らに見せてくれる。
小姑みたいに常にグチグチ言う師匠じゃないけど、怒る時にはちゃんと怒ってくれる。
そして、自分の背中で芸人としての姿勢を教えてくれる。
実際、たけしさんはどんな番組でも一切手を抜かない。どんなに忙しくても、ギリギリまで自分を追い込んで納得できるまでネタを作っていく。
仕事も遊びも一生懸命努力する。生きてること自体が一生懸命。
そのオーラ、大きさ、深い溝、いつまでも近づけないジレンマは感じながらも、でも、そばにいられっていう喜び。
「どうやっても、このこの人みたいにはなれない」
近くにいるからこそ、誰よりもそのすごさを俺らはわかってる。
大阪のモリモリおサルが、「たけしさん」ってとこを「Masuoさん」と読み替えてるような気がするけど。