届けられたゴルフ道具
ブッブーー
キーーッツ
ガチャ
バンッ
ピンポーン
宅急便屋さんです・・・
お猿の籠や風のブログにしようと思いましたが、めんどくさいので戻します。
届けられたのは、最新のゴルフ道具一式でした。
注文した覚えありません。
でも、そういえば・・・
ゼネコンで営業マン時代、ゴルフ・麻雀・カラオケは、接待の必須科目でした。
新入社員として、四国支店に配属された年の6月からゴルフをするようにと上司から命令され、クラブも握ったことのないワシは、とりあえずゴルフシューズだけ買って業界のコンペに参加しました。
ひたすら歩き、「ナイスショット!」と叫ぶ練習です。
半年で100を切らないと、ボーナスの査定を下げると言われ、レッスンプロについて毎日打ちっぱなしに通いました。
今考えれば、馬鹿げた話ですが、そのころは一生懸命だったように思えます。
かなり異常な職場環境だったようです。
初任給135000円の新入社員が、毎月飲み屋さんからの請求書が10万円を超し、上司がそれを払ってくれてました。
酒も飲めない奴が、仕事なんか取れるか、と言われ、学生時代ほとんどお酒を飲んだことのないワシは、2回ほど急性アルコール中毒で病院に運び込まれ点滴を打たれました。
サラリーマンを辞めて、接待のゴルフだけはしないと決め、ごくたまに気の合った人と楽しく回っていましたが、7年前からまったくやらなくなりました。
道具も埃にまみれて、倉庫の片隅に眠っていました。
「赤塚さんはさ、ゴルフしないでいいからさ、俺たちが回ってる間どっかで時間つぶしてなよ」
北海道での澤田セミナーに10人ほど友人が参加し、家を建てたい友もいるから澤田さんに紹介するために、ワシも出席することにしてました。
しばらくして、この温厚そうなお方からメールが届きました。
「北海道のゴルフ場の住所です。ゴルフバック早く送らないと間に合いません。参加者メンバー表です」
グエ!!ワシの名前が入ってるやん!? 世間では、この状況を「ハメラレタ」というのでしょうか。
倉庫の隅のゴルフバッグと靴を送りました。 同じ組に澤田さんがおられました。 もう、逃げることできません。
10年近いブランクがあり、思うように体動きません。 散々なスコアです。
2ホール目で、靴底の接着剤が劣化していたのでしょうか、スパイクの部分がとれて足袋のようになってしまいました。
3ホールを終える時には、もう片一方の靴底もとれてしまい、足袋でフエァウエィ歩く、まさに草食動物のような姿。
キャディさんに呆れられ、フロントに電話かけて靴を届けてもらいました。
しかも、何ということでしょう、昼の休憩もなくぶっ通しで1.5ラウンド。 死ぬかと思いましたわ。
しかし、こんなドタンバタンと騒ぎまくってるパートナーがいても、一切ペースを崩さず、澤田さん最後のハーフ、36、パープレイ!
生まれて初めて、目の前でパープレイで回る人を見ました。
翌朝、朝食時に澤田さんと話した時、ワシはすでに全身の筋肉痛でふらふらでした。
「赤塚さんさ、昨日、俺、いくつミスしたとおもう? ・・・ 4つなんだよね。
スタンス、スイング、そしてボールの位置、フェイスの開き方・・・完全に覚えてるから、イメージの中で修正しましたよ」
実は、ワシは7年前最後に回ったのは建築士会のゴルフコンペで、そのときミドルホールで二打目がカップインするイーグルを取りました。
ずっと、そのときのイメージだけが残っていました。
悪かったことは、すっかり忘れてしまっています。
澤田さんの言葉にハッとさせられたのです。
失敗を繰り返す人間は、うまくいったことだけを記憶し、都合の悪いことは顧みない。 だからまた同じ失敗をする。
でも、成功者は、ミスしたことを記憶し、修正するから同じミスを繰り返さない。
同じ場所で、同じ時間を共有しながら、これほどまでに体験が違うのかと魂の底から驚かされました。
どんなときでも、どんなところからでも人生を学ぶ、まさに毎秒毎秒一所懸命・・・すごいなぁって。
「赤塚さん、ゴルフやんなよ、一生できるスポーツってゴルフくらいだよ」
・・・はぁ・・・と生返事のワシに 「それからさ、クラブ、もう少しいいものに変えなきゃ。 靴も(笑)」
・・・・ ゴルフ道具一式届いた理由がこれでわかったのでした。 逃げられない・・・