おまえは日本人やないか
日本人はいい国民であるというて、いいところを探さないといかん。
探したものをしっかり握って感激にうち震えつつ、生活を全うしていかないといかないといかんという感じがするんです。
そして決して悲観しない。
いかなる場合でも、「お前は日本人やないか。そうや、自分は日本人や。必ずうまくいく」と、こう思うてぼくはやっているわけです。
最近のような状況の中にあっては、お互い死んでも死にきれない、というようなつもりでやらなければいかんですよ。
こういう状況では。
そうでありますから、商売はもちろん大切ですが、商売以上に大切なものは、私は日本人としての志をもつことだと思いますな。
そういう志をしっかりもてば、商売はそれについてまわりますから楽なものです。
その肝心の日本人としての志を失ったらいけないと思うのです。
どうして日本が今日のようなゆきづまりの様相を呈するにいたったのか、その根本の原因について、すべての日本人が「なぜ」と
問うてみることがまず大切ではないかという気がするのである。
今日の日本の姿を見ていると、政治でも何でも、やりにくいことを全部避けてしまう傾向が強い。やりやすいことしかやらない。
財政危機とかいった問題も、そうしたところから生じてきているように思うのだが、経営でも、やりやすいことだけやっていたのでは、
やがて行き詰ってしまう。
週刊誌を立ち読みしようと入ったコンビニで手に取った、「松下幸之助の流儀」という本にある文章です。
今でも命が脈打つ言葉です。
経営の神様といわれた、幸之助さんが、日本人としての生き方・考え方。
時代を超えて、胸に染み入ります。
日本人は、2672年も続く、世界唯一の国に住みながら、自分の国の歴史も知りません。
民族とは、歴史と神話を共有することです。
それがなければ、その国の人間と呼べないと、世界の国々は知っています。
建国の物語を知っているのは、日本人の100人に一人だそうです。
アメリカ始め、世界のどの国に行ったとしても、国民の100人に99パーセント以上は自国の歴史を当然のように知っています。
だからこそ日本人が日本の歴史に目を覚ませば、日本は世界の光になります。
建国以来、一度も植民地にならず、2672年もの歴史を持つ国は世界のどこにもないからです。
誰もが曲がり角、そして、いま変わって行きます。