風がかわりました
「この世では虚勢がはびこる。
悪や下品さが大手を振る。
だから、恥知らずで烏のようにやかましく叫び、
図々しく我を通すような人はこの世でたいそう暮らしやすいものだ。
この世でなかなか暮らし難いのは、恥を知り、清らかに生きようと努め、
つつしみ深く、仕事に専念しているような人だ。
しかし、お前は後者を選べ。」
仏陀の言葉
自分たちはどこから来たんでしょうね。
どうして生まれてきたのでしょうね、どうせ死んでしまうのに。
お父さんとお母さんに産んでいただいた、
それは、間違いではないかも知れません。
でも、お父さんとお母さんが生まれる前にワシらはどこにいたのでしょうか。
何もないところから現れるはずがありません。
このごろよく澤田さんは「死に方用意」と言われます。
マラソンという競技は、よく人生のようだといわれます。
42.195キロ
でも、不思議だと思いませんか
どうして、マラソンって折り返し点があるんでしょうか?
競技場から出て、競技場にもどってくる。
津から出発して桑名がゴールでもいいじゃありませんか。
だけど、津から出て桑名に向かうのに、ずっと南から風が吹けば追い風に背中を押してもらえる。
逆ならずっとアゲンスト・・・これって不公平ですね。
だから、途中で折り返す。
行き道の追い風は、帰り道アゲンストに。
向かい風は、フォローに。
ワシは、人生の折り返し点を越えました。
前半戦が手に入れることが追い風なら、後半戦は手放すことが追い風になる・・・真逆になって当たり前ですね。
ずっと手に入れることを目標にするなら、強い向かい風に顔もゆがんでしまいそうです。
生まれる前にいた場所に帰るとき、何ひとつ荷物はもっていけません。
この肉体さえ、土に返して帰らなければなりません。
「死に方用意」
しみじみ心に染みてきます。
風がかわりました。
風を感じて、その風に背中に受けて、この世の旅路を走ります。