欠けた器
仲良しのまさるさんが、モンゴルからやってきました。
いつのまにか綺麗な奥さんが一緒です。
奥さんは、モンゴルの女性で病院の看護婦さんのリーダーだそうです。
まさるさん、本当によかったね。
まさるさんは、ワシより7つ年上。
北海道の出身です。
生きることがとても下手だったまさるさんは、人間関係に疲れ、いつしかアルコール依存症になってしまいました。
病院に入っても、出てきてはすぐ飲み始めるため、札幌のどこの病院も受け入れてくれなくなってしまったのです。
ずっと昔、まさるさんが20~30代の頃のことです。
まさるさんは、女性と暮らしていました。
その女性もアルコール中毒で、毎日お酒を飲んで暮らしていたそうです。
ある夜、その人は眠りに就く前に、まさるさんに「ありがとう、お水をください」と言ったので、まさるさんはお水を汲んで来てあげました。
翌朝、彼女は、まさるさんのとなりで冷たくなっていました。
殺人の容疑者で、まさるさんは警察に取り調べられるのですが、
そのとき以来、まさるさんはお酒を飲まなくなりました。
「ぼくの代わりに彼女が死んでくれた、だからぼくは彼女の分も生きる」
まさるさんは、腕のいいペンキ職人として仕事をこなすかたわら、アルコール依存の人を立ち直らせる組織に入り走り回っています。
モンゴルに行くようになったのも、アル中患者を救うためで、500キロ離れた町まで毎週出かけてゆき、自らの体験を語り、人助けをしています。
「ぼくは、神様に赦されなかったら、生きていけない人間なんだよ。
赦されていることを知って、救われたことを知ってしまったから、もう自分のことで生きるのはやめたんだ。
人間は、土でできた器さ。
でも、ぼくは綺麗な器なんかじゃない。
欠けた器なんだ。
だけど、欠けた器でも、神様の光が当たりさえすれば、輝ける。
赤塚君、君もそうだろ、人間、誰しもどこか欠けてるさ。
そのまま、神様の道具として使ってもらおうよ。」
まさるさんと話すと、胸があたたかくなって、ちょっと泣けてくる。
今日は、生体エネルギーのセミナーです。
武田講師がやってきてくれます。 四日市の澤田先生のセミナーでお出逢いいただいたお方が来てくださいます。
神様が宿るひとときとなりますようにと、祈りを持って欠けた器のワシも顔晴ります。