「女人開眼抄」 女性のありかたが民族の将来を決定する
森信三先生のこの本を手にしたのは、今から20年ほど前のことでした。
ずいぶん長いあいだ離れていましたが、ふと手に取り、あらためて大切な大和魂を思い出させていただきました。
森先生は、「わが国にあっては、女性が脚を組むのは避けねばなりません」と言っておられます。
それが、女の人の心のしまりというものであり、乗り物に乗っているときに一番わかると言われます。
この姿勢の乱れは、憂うべきことというより、止めなくてはならないと仰っています。
「席を立ったら必ずイスを入れ、履物を脱いだら必ず揃える」
これが人間としてのしまりの問題で、この事一つによっても、その人がどの程度人間としてのしまりのある人かどうかが分かるというわけです。
・・・これは、男女に関係なくあてはまることではないでしょうか。
また、女性が幸福に生きるには三つの条件があると言われます。
第一は「分を知る」 これでいいんだという分度を知ることです。
二つ目は「比べない」 比べないとは自分の分を知ることでもあります。
三つ目は「自分の現在与えられている境遇を感謝する」 どんなときも感謝し不満を言わない・・これも分を知ることにつながります。
ところが、今の時代は無限に進展するように思っている人が多いようです。
どこまでも先があると考え、人と競争し、貪欲に上を目指す・・・幸福の三条件が忘れ去られているのです。
森先生は、「男を見る目ができないうちに結婚せないかん」と言われます。
男を見る目ができるというのは、批判を身につけるという意味ですね。
自分のことを棚にあげて、あれが足りない、これが足りないといったところで決して幸せになれません。
そもそも幸福というのは、直接こちらが求めたのでは得られないものなのです。
そうではなく、自分の為すべきことをした人に、いわば天から与えられ、恵まれるものなのです。
すなわちわれわれ人間は、天から授かった自分の受け持ち「分」を発揮することによって、真の幸福が恵まれるのであります。
仕事納めの日に手に取った一冊の本、忘れそうになっていた大事なことを届けてくれた天の声でしょうか。