赤道小町・ドキッ
東京で暮らしているとき、九州から出てきた一人の女の子と友達になりました。
「胸のここんとこがキュンとなる歌が歌いたいのよ」 酔っ払うとそういう女の子でした。
新宿のルイードというライブハウスで出会ったのでした。
そのライブハウスは、シャネルズという靴墨で顔を真っ黒に塗ったドゥワップのグループが人気でしたね。
後にラッツアンドスターという名に変わりました、そのバンドは。
それはさておき
その女子はやがてデビュー
バスルームから愛を込めて・・・ヒットしました
次々ヒットを飛ばし、ライブは満員、総立ち・・やがて、総立ちの久美子と呼ばれるようになりました。
ワシは、大学を卒業
東京で音楽業界に進むのをあきらめ、大手ゼネコンに入社
四国支店に配属され、瀬戸大橋などのプロジェクトにかかわるようになりました。
テレビで「ザ・ベストテン」という番組があり、久美子はついに3位まで上りつめたのです。
赤道小町という曲でした。
全国ツアーで彼女は、四国にも来ましたから、もちろんワシは会いに行った
打ち上げも一緒に出て、結局夜中まで飲み、二人だけが残り、小さな寿司屋さんで飲んでました。
やがて、朝が来るくらいの時間だったでしょうか。
ワシは、彼女にこう言いました。
「山下久美子ってスターと飲んでるって不思議な感じや」
・・・すると、久美子 怒った顔をして
「あのさ、志摩(ワシは志摩こうじという名前だったのです)、 友達だろ
友達ってなったり、なられたりするもんじゃないんじゃないの?
気がついたら横にいるのが友達でしょ、 今度そんなこと言ったら絶交だかんね」
昨日は我が親友、山下久美子の誕生日でした。
死ぬまでつきあえる大事な友達こそ人生の宝です。
しばらく会ってないけど、今年はワシんとこのログハウスに泊まってくれることでしょう、ゆっくり話したいから。