「日本人はかつて美しかった」
弘前の講演は、弘前学院大学の礼拝堂で100人を超える兄弟姉妹とともにやまとこころを響かせるひとときとなりました。
戦後70年、大きな曲がり角を迎えている我が祖国日本。
このときを選んで、日本人として生まれたことを魂いっぱい喜びます。
だからこそ、残された時間、本当の日本人となれるよう精進します。
出会いのひとつひとつに秘められたメッセージを受け取り、成長したいものです。
ダイヤはダイヤでしか磨けないように、
人は人でしか磨けないのですから。
また、魚には水が見えないように、日本人には日本が見えないようです。
だから、視座を外に移し、曇りなき眼で日本を発見し続けたいのです。
ラジャー・ダト・ノンチック(マレーシア連邦上院議員)は、戦前の日本に留学していた方ですが、彼のメッセージが心に刺さります。
「かつて日本人は清らかで美しかった
かつて日本人は親切でこころ豊かだった
アジアの国の誰にでも自分のことのように一生懸命つくしてくれた
何千万人もの人の中には少しは変な人もいたし
おこりんぼやわがままな人もいた
自分の考えをおしつけて
いばってばかりいる人だっていなかったわけじゃない
でもその頃の日本人はそんな少しのいやなことや不愉快を超えて
おおらかでまじめで希望に満ちて明るかった
戦後の日本人は自分たち日本人のことを
悪者だと思いこまされた
学校でもジャーナリズムもそうだとしか教えなかったから
まじめに自分たちの祖父や先輩は悪いことばかりした
残酷無情なひどい人たちだったと思っているようだ
だからアジアの国に行ったらひたすらぺこぺこあやまって
私たちはそんなことはいたしませんと言えばよいと思っている。
そのくせ経済力がついてきて技術が向上してくると
自分の国や自分までがえらいと思うようになってきて
うわべや口先では済まなかった悪かったといいながら
ひとりよがりの自分本位のえらそうな態度をする
そんな今の日本人が心配だ
ほんとうにどうなってしまったんだろう
日本人はそんなはずじゃなかったのに
本当の日本人を知っているわたしたちは
今はいつも歯がゆくてくやしい思いがする
自分のことや自分の会社の利益のことばかり考えて
こせこせと身勝手な行動ばかりしている
ヒョロヒョロの日本人はこれが本当日本人なのだろうか
自分たちだけで集まっては
自分たちだけの楽しみやぜいたくにふけりながら
自分がお世話になって住んでいる
自分の会社が仕事をしているその国と国民のことを
さげすんだ目で見たりバカにしたりする
こんなひとたちと本当に仲良くしていけるだろうか
どうして どうして日本人はこんなになってしまったんだ」
日本よ永遠なれと祈りつつ、青森市に向かいます。
今日の講演も天からの導きが豊かに恵まれますように。