組織工学
いよいよ8月に新型ロケット、イプシロンが打ち上げられます。
世界最大級の固形燃料ロケットです。
あの「はやぶさ」を宇宙空間に運んだ M-V(ミューファイブ)の後継機。
時間に恵まれれば、発射の瞬間に立ち会いたいものです。
鹿児島、内之浦の婦人会長、橋本のお母さんが呼んでくださってます。
さて、そのロケットの生みの親、故・糸川英夫博士が打ち上げプロジェクトを運営していたときのことです。
ロケットの打ち上げは、秒単位のシステム。
ひとりひとりが完璧に役割を果たさなければロケットは飛びません。
糸川博士は、プロジェクトリーダーとしてさまざまな試行錯誤を繰り返します。
なぜなら日本で誰もやったことのない、前例のないプロジェクトだからです。
形の中で最も強い「三角」 この組み合わせで行けば、強いチームが出来上がるに違いない、
そう博士は考えて、三人ずつの組み合わせで組織を作りました。
ところが、これが大失敗に終わるのです。
人間は、三人になったとたんに、2:1の組み合わせになってしまう。
その根底に在るのが、人の嫉妬心だったそうです。
糸川博士は、ペアシステムを完成させ、打ち上げを成功させました。
二人ずつ、それが組織の根本のようです。
聖書にも、イエスは弟子たちを伝道に送るとき、必ず二人組にしました。
ペアシステムの原点は、イエスキリストだったのですね。
あるとき糸川博士は、ワシにこう言ってくださいました。
「あのね、どんな集まりでも 「なんのために」というミッションが必要よ。
ミッションの無い集まりは、ただのお祭騒ぎ。
お祭は、すぐに終わります。
それから、組織というものは外からの力では簡単に崩れません。
でも、内部からあっという間に崩壊するものなのですよ。」
わが師、糸川英夫博士の声が、何故か今夜はこころに響きます。