成功ってなんでしょうね
ワシは、ずいぶん前に成功のためのプログラムを購入し、実践したことがあります。
カセットテープとテキストで140万円もしました。
でも、成功できるのなら安いものだと、5年ローンを組んで、毎朝聞き続けていました。
そのプログラムを買った人たちの交流会で知り合った友人が、糸川英夫博士を紹介してくださったのですから、
確かに大成功ではありました。
それにしても、10万円の給料の中から3万円ずつの支払いは厳しかったですが。
その成功するプログラムを売っていた会社は、ずっと前に倒産しました。
若いころは、有名になることが成功のように思ってました。
ところが、世界的なスターの突然の悲報やスキャンダル。
なんだか、光の後ろにある深い闇が見えます。
終身雇用をうたった優良企業の破綻。
まさか、この会社が・・・というような超大手家電メーカーまでも危機に陥っているようです。
従来の成功哲学や自己実現法はもう通用しなくなっているのではないのかと感じてしまうのです。
ハングリー精神を持って成功や幸福を求めることは、人間として素晴らしいことだし、アメリカンドリームのように巨万の富を得た人や、一代で偉業を成して歴史に名を刻んだ人も成功者と呼ばれるにふさわしいでしょう。
そんな彼らの行動や思想が分析され、それを模倣して同じ結果を得ようとする “成功本” が本屋の棚を占めています。
それをプログラムにして、販売し、「成功者」はますます富を得てゆく仕組みになっているようです。
しかし、彼らは本当に成功者だったのでしょうか。
確かに地位や名誉、財産を手にしたかも知れませんが、最後はあまり “いい終わり方” をしていません。
じつは、今のワシのメンターは、アメリカ国務省にいた頃、ワシが買った「成功プログラム」の会社のオーナーの顧問をしていたことがあったそうです。
大富豪だったオーナーは、何度目かの奥さんともうまくゆかず、会社では裏切りやトラブルが続出し、誰も人を信じられない孤独な人だったと教えてくださいました。
社会にも貢献しなさいと、そのプログラムは教えていましたが、そのオーナーはこれみよがしなボランティアで心の隙間を埋めるのに必死だったようです。
メディアに流れるのは輝かしい成功の側面だけで、活躍時にそのダークサイドが表に出ることはありませんから、光の部分だけを見せられるのですね。
突然の死や致命的な失敗に転じた時に、初めて明かされる内容は、家族崩壊や人間関係の亀裂、金銭トラブルに裏切り、闘病生活や精神面の崩壊など、成功とは大きくかけ離れた世界です。
輝かしい成功と比例して、ダークな失敗がゴロゴロと出てくるのです。
“成功” という言葉を辞書で引くと、次のように書いてあります。
「目標の達成や社会的に一定以上の地位を得たこと。“失敗の対義”。」
つまり、この世の成功は “失敗があるからこそ分かる成功” だということです。
ワシらは当たり前に “成功と失敗は別々のもの” として分けて認識していますが、実はその認識こそがトリックかも知れませんね。
そろそろ、これまでの「成功哲学」は終わり、 本当の幸せに向かう冒険にでるときがやってきたのかも知れません。
その秘密が、「やまとこころ」にあるようにも思うのです。