神代の継承
式年遷宮もいよいよ大詰めを迎えています。
伊勢の神領民15万、特別神領民として奉仕する全国からの7万の民によって、御敷地に宮川から集められたお白石が敷きつめられます。
重機で運べば、能率も上がるでしょう。
しかし、1個1個の石に国民の祈りが込められ、運ばれることが尊いことと思えます。
伊勢神宮の奥の奥、瑞垣には天皇皇后両陛下のみが入って祈られます。
内玉垣は、天皇皇后と皇太子皇太子妃。
総理大臣も、秋篠宮でさえも外玉垣までしか入ることはできませんし、ワシらの正式参拝もそこでさせていただきます。
そして、板垣があって、一般の参拝はその外側なのです。
この四重の垣でできているのが、伊勢の神殿の配置なのです。
ですから、御正宮を間近で仰ぎ見ることができるのは、遷宮前のこのときかぎりなのであります。
お白石を積んだ車を曳いて進んでゆくときも、感無量。
白い布で包まれたお白石を持って、神宮境内を歩き、新しい宮に一歩踏み入れた時の感動は言葉にできません。
ヒノキの香り、澄み渡る涼やかな風、垣の外側からは決して見ることのできない宝玉の飾り・・・鮮やかな球の色は先祖が見つけた風水の秘密なのでしょうか。
そして、圧巻は、新しい宮から望む今の宮、二つのコントラスト。
20年間祈り続けられてきた宮は、やがて解体されてゆきます。
20年後にはそこにまた新しい宮が建てられることになります。
1300年間続けられてきた、我が国のならわし。
2000年間途切れることなく祈りが捧げられてきた、世界で唯一の生きた宮。
神代の継承こそ、我が国日本の命と言えましょうか。
戦争に負け、二度と黄色い人種が米国に歯向かわないように、ワシらは歴史を捻じ曲げられ、
自分の国は、悪いことをしたひどい国だと教え込まれました。
祖国を誇ることのできない人間は、自分自身の誇りをも失ってしまうようです。
伊勢がダメになれば、日本がダメになる
日本がダメになれば、世界がダメになる
伊勢の父、中山靖雄先生の口癖です。
ワシは、お白石を持ちたいと願いましたが、ワシにお白石を持つように願ってくださった力をワシは信じます。
「日本よ永遠なれ!」と祈りを込めて、お白石を置かせていただきました。
今日は、名古屋で「神話に学ぶやまとのこころ」セミナーで二時間話させていただきます。
伊勢の風が会場に吹き渡りますように。