逞しく つながる
2013.08.07
電車に乗ると、半分以上の人たちが携帯の画面を見ています。
窓の外の美しい景色も見ないで、小さな液晶の画面を見ています。
ここにいない、何処かの空の下にいる誰かとつながっているのでしょうか。
それとも、誰かとつながっていないと不安なんでしょうか。
ワシが明治大学に入学し、東京での下宿生活を始めたころ、
携帯もFacebookもポケットベルもラインもありませんでした。
部屋には電話もありませんでした。
手紙を書き、ポストに入れて、返事がくる一週間、十日、あるいは一月、
毎日毎日待ったものです。
でも、あのころの繋がりは、今よりずっと強く逞しかったようにも思えます。
単に人間関係だけでなく、自然や神様につながっていたようにも思えるのです。
もっともっと昔、通信手段も何もない時代、先人たちは「虫の知らせ」などと言いつつ、
目に見えない世界とつながっていたようです。
一見便利になったように感じる情報社会の中に溢れる、情報という名のノイズ。
その中にある、静かなる呼びかけに心の耳を澄ませていたいものです。