欠乏という豊かさ
新聞に、理化学研究所理事長の野依良治さんのエッセイが載ってました。
25年前、糸川英夫博士が話してくださったこととシンクロして魂に響いてきたのです。
「国家存立の条件はさまざまだ。
我が国は大国だけでなく、たくましく生きる小人口国、地域にも学び、確信あるビジョンを策定すべきだ。
・・・・ イスラエルは、政治的、軍事的に問題を抱えるが、圧倒的な起業力を誇る。
総研究開発費は対国内総生産(GDP)比で世界最高。
一人当たりのベンチャー投資額は米国の2.5倍、欧州の30倍以上だ。
ナスダック上場企業は63社、日本はわずか6社にすぎない。
若き日に建国にかかわったシモン・ペレス元大統領(1994年ノーベル平和賞)は、2千年にわたり流浪した民の想像力をこう語る。
『荒涼たる荒野から、欠乏というものの豊かさに気づいた。
自由になる財産は人的資本だけ。
必死に働き、自らを厳しく律し、しかし、夢を見て生まれ変わる』
安全と平和と水の代価が極端に異なるイスラエルと日本。
私たちに生存への厳しさを教える。
ユダヤ系科学者のノーベル賞受賞者割合は突出している。
ユダヤ系人口は世界の0.25%、しかし、ノーベル化学賞は20~25%を占める。
過酷な環境は、時に人々に力を与える。
我々日本科学者も、戦後の劣悪環境下、国際競争力は無に等しかった。
しかし、研究資材と情報の欠如は、若者の意欲を独創へと向かわせた。
一昨年3月11日の東日本大震災で1724人の子供が親を失い、そのうち241人は両親共に失った。
彼らの将来には特に幸あれと祈る。
この困難を克服した子供たちの中から、世界を先導する科学者が誕生することを願っている」
お腹の肉がつまめるようになってしまったワシ。
まぢ、やばいっす。 豊かさという貧しさダス