敦煌
9年前のことでした。
「赤塚さん、中国に行きませんか?」イエローハットの鍵山相談役から突然の電話。
人生誘われるうちが華、旅は、「何処に行くか」も大切だが、「誰と行くか」はもっと大事です。
どんな出逢いがあるだろうとワクワクしながら成田に行くと参加者二十五名が集まっていました。
中国有志者之森碑の完成を記念する旅でした。
かいつまんで話すとこういうことです。
日本を代表する「志」ある人の言葉と中国の有志者の言葉、それぞれ二十ずつ日中両国の言葉で石に刻み心の交わりを証しようという事業で、
委員長は鍵山秀三郎氏、事務局長は当時の副文部科学大臣、小野晋也氏。
初めてなのに初めてではない懐かしい旅でした。
また西安では秦の始皇帝の兵馬傭坑にも驚かされました。
強大な権力者が手に入れたもの、そして手に入れたかったものとは一体何だったのでしょうね。
どんな人の上にも平等に時は流れ、老いて死ぬ。
皇帝は死の瞬間に何を思ったのでしょうか。
旅の仲間たちは口々に人が作った物の偉大さを賛美し、「人間はすごいのだ」と言ってました。
そのときの旅仲間が4人、三重を訪ねてくださいました。
あれからずっと仲良くされて、毎年どこかに旅していると笑って話してくれました。
広島、長野、神奈川・・・全国から集合して、人間力を高める旅をしておられます。
最年少が66歳、素敵な日本人。
泊まっておられる松阪の宿に訪ねてゆきました。
9年ぶりの再会でした。
たった一度の旅で、こんなふうにつながりあっている世界って素晴らしいですね。
伊勢のこと、神話のこと、聖書と古事記のこと話させていただきました。
年下のワシのようなものの話を、正座して身を乗り出して聞いてくださる優しさが好きです。
このごろ人の優しさが、やけに胸に染みます。
秋のせい?・・・ばかりではないようにも思えます。