夢の人からのイエスタディ
明治大学の政経学部に通ってた遠いあの頃、毎日はビートルズの世界でした。
どんなときも彼らの音が近くにありました。
渋谷でジョンレノンとすれ違ったこともありました。
(のちに、NYのジョンのダコタアパートまで行きました、セントラルパークのイマジンのモザイクも触ってきました。)
大学3年の時だったでしょうか、ポールがウイングスを率いて来日すると。
必死でバイトして、武道館のチケット全部とりました。
当時の全財産使い果たして、三重に帰省する大みそか、夜行列車の床に新聞を布団代わりにしました。
そして、正月が終って 東京に戻ると・・・・ポールが大麻で逮捕。
チケット、全部パァ
目黒の拘置所までいきましたね、 ここにいまポールがいると泣きそうな気持になったのでした。
あれから33年
ひょんなことから恵まれたポールマッカートニーの大阪公演のチケット!
公演の二日前届いたチケットは、驚くほどいい席でした
目の前にポールがいる
本物のビートルズと一緒に、ロング・アンド・ワインディングロード、 ヘイ・ジュード、 レット・イット・ビー歌えるなんて
71歳のポールが37曲休みなく、演奏し、歌い続ける
まさに、音楽の世界遺産!
どの場面でも、涙がこぼれるほど感極まりました。
そして、ほんとうに何度も何度も涙あふれました。
どうして、こんなにも胸が熱くなったのでしょうか?
それは多分、そこに未だかつて無いほど、ポールの「想い」が溢れていたからなのだと思います。
愛、と言ったらいいのでしょうか。
ジョンやジョージへの、リンダへの、そして聴衆の人生と、その聴衆と共にあった自分の人生への、ナンシーへの、子供たちへの、音楽への、地球への、生きとし生けるものへの溢れるような愛情と、感謝の気持。
それが痛いほど伝わって来たのです。
選曲も演奏も、すべては聴衆に最高のものを届けて、共に人生で最高の瞬間を共有したいのだとポールから伝わってきます。
ポールはありったけの「ありがとう」をそこにいるワシらに、届けに来てくれる、まさにそういう人なのです。
その長いキャリアを通してポールを聴いて来て、これほどミュージシャンとしても、一人の人間としても、円熟して素晴らしいポールを、今、この時点で聴くことが出来るなんて、正直考えてもいませんでした。
ポールには、今から先ももっともっと活躍して欲しいけれど、満71歳という年令を考える時、再びの来日があるかどうか、第一、自分が、世界が、どうなっているのかも解らないのですから… 。
33年前のチケット、 やっぱり人生にひとつの無駄もありませんね。