修了式にいってきました
2014.06.28
横浜にある、秋山木工は、テレビ番組にとりあげられたり、映画になったり知る人ぞ知る家具製造の会社です。
三越の注文家具や、皇室御用達として有名ですが、丁稚制度による人材育成が注目を集めています。
社長の秋山利輝さん、71歳。
秋山さんと初めて出会ったのは、今から26年前のこと。
所は東京、世田谷上馬、糸川英夫博士のご自宅でした。
以来、なんだか家族のような、親戚のような、不思議な仲良しで今日まできました。
秋山さんは初めて出会った頃とちっとも変わりません。
秋山木工では、入社してからの四年は丁稚として一切自分勝手な時間は許されません。
もちろん住み込みの共同生活、自炊。
携帯電話は禁止。
恋愛御法度。
病気なっても怒られます。
朝は5時からマラソン、掃除、真夜中まで仕事。
休みは元旦のみ。
読み、書き、算盤の稽古を徹底的にします。
毎日その日にあったこと、気づいたことをレポートするのです。
四年前に9人入社した中で、修了式を迎えることかできた3名。
平成生まれの22歳。
それぞれ四年間に書いたレポートは、50冊を超えていました。
その毎日のレポートに、兄弟子や先輩がコメントし、一冊一冊の終わりのページに両親の想いが書かれています。
秋山さん自身も、超一流の家具職人として皇居で天皇陛下の家具もつくってこられました。
家具をつくる職人から、一流の職人をつくる職人となられたのです。
日本を良くするために。
技術は、時間をかけたら誰でも伸びると秋山さんは言われます。
逃げ出さず、修了式を迎えることができるかどうかは「親孝行」したいという心があるか、だそうです。
今回、27回目の卒業生も挨拶の中で両親への感謝を真っ先に述べていました。
自分のためだけでなく、人を喜ばせることが喜びなる。
そのことを気づけたとき、一流の「できた人」になるのでしょうか。
いわゆる「できる人」とは次元が違うのだと思えます。
丁稚を修了し、職人となってから四年で全員 秋山木工をクビになるのも驚くべき制度ですね。
これから稼げるって矢先に、外に出す。
自分のものとしない。
日本のために、各地に送り出して活躍してもらう。
ブレない生き様、ますます輝く秋山さん。
やっぱり かっこいいわ。