赤塚高仁に願われていること
三重県津市に「カラス」って素敵な本http://kalasbook.com/event-main.htmlがあります。
その本を初めて手にしたとき、 好きになりました。
一目惚れってあるんですね。
私の想いを届けるのは、このカタチでなければいけない。
それに賛同して下さる方と、家を造り、街を創ってゆきたい。
そう思わされる本でした。
なにせ、手触りが最幸で、写真に胸がきゅんとなる。
文章は、誰にも媚びず、それでいて読み手の心に染み込んでくる。
よほどの技量がなければ、こんな文章は書けません。
すぐに電話をして、会社案内をつくってくれませんか ってお願いしました。
今日編集長の西屋さんが ゲラをもってきてくださいました。
会社案内は、まだできないみたいですが、
カラス の本に、こんな紹介をしてくださるそうです。
本当にすてきな文章です。
私は、人を観る目はあるなって しみじみ思いました。
この人に頼んでよかった。
二年という時の流れはありましたが、すぐに出来たものは、すぐに消える。
永く使える会社案内ができるに違いありません。
ちょっと長いので、何回かに分けてここに書きます。
いつか 自分も こんな文章が書けるようになりたいです。
「赤塚高仁さんに願われる変容」
会社案内の制作を頼みたいと、赤塚さんから電話をもらったのは二年前のこと。
直接の面識こそ無かったが、狭いこの町で精力的に活動している人だから、建設会社を経営されていることは知っていた。
社としては初めての会社案内だから、内容のあるものにしたいという話で、それは大役だと単純に嬉しくなり、では、一度会いましょうということになった。
気さくで饒舌な人というのが赤塚高仁さんの最初の印象。
軽い聞き取りのつもりが夕刻を過ぎても話は終わらず、夫人の寛子さんが用意してくださった手料理までいただきながらさらに続いた。
「うちから伝えたいことを書く会社案内ではなく、うちに願われていることをカタチにして欲しい」
後に社員の方が赤塚さんを評して 「目に見えないことを伝達する能力に優れた社長です」と言われたが、
これは正鵠を得ていたと思う。
語彙が豊富で観念的な思索に優れた赤塚さんは、自らの心の動きを的確な言葉に換え、こちらが伝えたいことを造作もなく汲み取ってくれる。
しかし、その対話を具現化しようという段になると、こちらには同様の能力がないので形を捉えられない。
結局、どんなものが求められているのかを掴みきれないまま、内容を一任されるような形になった。
それから何度か聞き取りを重ねるも、そのたびに赤塚さんからは心的世界の言葉が投げかけられ、こちらはそれに相応しい形を探して立ち止まってしまう。
そんな状態のまま時間だけは過ぎ、瞬く間に一年が経った。
普通はそこまで長引けば、愛想を尽かされて依頼も御破算になるものだが、赤塚さんは
「うん、ゆっくり待ってるよ」と並はずれて寛容な人なので終わらなかった。
その後、この人の内容があり過ぎる人生を知れば知るほど、とても通り一遍にはまとめられないことが分かり、悩みは更に深まっていった。
続く