ふうちゃん と へそ道
入江ふみこという人物に初めて出会ったのは、8年前のことでした。
我がログハウスに、かっこちゃんこと山元加津子さんが来たときに、小林正樹さんが
「赤塚さん、映画の撮影隊が来るんだけどいい? 彼らは、自分で宿とるって言ってるし」
三人くらい、一緒に泊ったらええやん、雑魚寝やけど。
そこにやってきたのが、ふーちゃん、小野っち、そして、岩崎靖子さん。
撮影って、ホームビデオひとつ、しかも台本もないし・・・
あ、そうか、これはリハーサルのようなもので、改めて本当の撮影があるんだろうな。
そう思ってました。
翌日は、神宮参拝と、伊勢の父と呼ばれる修養団の中山靖雄先生のところに行きました。
結局、その時の映像が本当の映画になり、世界中に広がる 「1/4の奇跡」が誕生したのです。
リハーサルだと思っていた私は、フツーに画面に登場し、出演者にされていました。
その後のふうちゃんの活動は、ご存知の通り、全国各地はおろか、世界十数カ国で映画の上映に講演。
映画監督として、素晴らしい作品を次々に生み出し、光の道を歩んでいるように見えました。
先日、突然ふうちゃんからの電話
「 赤塚さん、 ありがとう! 中山先生に出会わせてくれて!!
私、へそ道の本を今、書き終えたの。
今、この場で死んでもいいってくらい、出し切った。
本当に、ありがとう! 赤塚さんのおかげです」
実に、私は何もしていません。
山元加津子さんを中山先生のところにお連れするのに、ふうちゃんはついてきただけなのです。
そして、その時の中山先生の言葉を魂で受けとめたふうちゃんだったのです。
その後の歩みは、すべてふうちゃんが独自で築いた道。
ふうちゃんは、中山先生を師と仰ぎ、自分を一切捨てて、教えを聞き、わかり、実践してきました。
わが師、糸川英夫博士は、生前常にこう言われました。
「縁を大切にする人のことを、成功者というのですよ。
この人に会えてよかった、と思うとき、その人のひとつ前の縁を忘れないことです。
先縁尊重することです。
これを忘れてはなりません」と。
何かがうまくゆくと、あたかもその縁を自分が生み出したかのような振る舞いをする人もあります。
いつしか、そういう人は遠く見えなくなってしまうようです。
ふうちゃんの一本の電話は、私にとって最も大切なことを教えてくれるものでもあったのです。
ああ、この人はホンモノだ。
出版記念の講演会が18日、東京の表参道近くであるというので、午後の新幹線に飛び乗って行きました。
テンプルビューティフルの光田なおこさん、断捨離のやましたひでこさん、サンプラザ中野くん、・・・仲良しの友達の姿が嬉しかったですね。
中山先生から、へその教えもお聞きしていましたし、へそ道は特にふうちゃんから聞かなくてもいいわ、と思っていた私です。
ところが、特別講演のふうちゃんから伝わるものが私の魂を揺さぶりました。
短時間ですから、ダイジェスト中のダイジェストだったことでしょう。
にもかかわらず、一気にとてもとても深いところに届くのです。
同じような話の内容で語る人、それこそいっぱいいます。
しかし、いま、ふうちゃんから溢れだすエネルギーは、もはや次元が違う。
「わたし、映画監督でいることがしんどかってん! また、こうあらねばならない自分を演じてたんよ」
なんと自由な世界に生かされているのでしょうか、ふうちゃんは。
ミッションで生きると決めたらええ、 ビジョンは自分持ちやけど、ミッションは向こう持ちやし、って、向こうってどこや?
中山先生は、へその話を文字にすることを好まず、本にする話も全て断っておられました。
間違って伝わるから、文字では。
へ、とは船の舳先というように先っちょのこと
そ、とは、素、祖・・もとのところ
もとのところを指している先っちょが、へそ
この、へそが繋がって母から祖母へ・・・延々と続く御先祖様、 そしてその大元。
その中山先生が、出版をお許しになったのは、弟子として立つふうちゃんのエネルギーを信じたからに違いありません。
師匠が弟子に託す。
その姿に私は、涙が出そうになりました。
イエスは、何一つご自身では書き残しておられません。
イエスの教えを実践し、運命を変えた弟子たち、マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネ・・・パウロたちが文字にしました。
それが聖書となり、2000年後の私たちに霊の息吹を伝えてくれます。
読み方のとても難しい本です、聖書は。
自分から読めば、ただの物語。
しかし、それを書かされた人の魂とシンクロして書かされた側から読むとき、聖書が私たちに語りかけてくれます。
文字の裏側と、文字と文字の間から流れ出すメロディが聞こえてきます。
「 へそ道 」 是非 読みましょう!
弾丸ツアーでしたが、最終の近鉄特急にも間に合い、帰りつきました。
今朝も、庭の草抜きにしみじみ幸せを感じる私です。