赤塚高仁 物語

10.新しい始まり

良い学校を出て、良い会社に入って、結婚して子供が生まれ、家庭があれば人は幸せになれるのだという神話は崩壊した。
しかし、
1度死ぬと、人は変わる。
出会いが変わり、運命が変わった。
「人間はどうして生まれてくるのだろう? どうせ死んでしまうのに」
その頃、これまで心に浮かびながらも、聞かずにいたその問いかけが、大きな迫りとなってきた。
様々な宗教に答えを求めたりもした。
インドにも行った。
あらゆる新興宗教をかじり、オウム真理教の麻原ショーコーにも会った。
大川リューホーにも会った。
のどが渇いているのに、海水を飲むように、知れば知るほど渇いていった。
しかし、運命が変わる時、人との出逢いがある。
いきさつを超えた大きな力にみちびかれているような出逢いというものがある。
運命とはまさに、人が運ぶ自分の命なのかも知れない。
精神病院から退院して、1年後の夏、
わが人生の師、ロケット博士、糸川英夫先生と出会い弟子入りをする。

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